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世界のファッションからvol.2 韓国編

· DeepValley

こんにちはDeepValley(ディープバレー)の増田です。

先週、コンサルティングに入らせていただいているファッションブランド様と共に韓国に出張しておりました。

出張の目的は生産背景の調整だったのですが、少し間を見つけてリサーチも兼ねて街を探索しました。

近年、日本国内においての韓国ファッションというと「プチプラ」というイメージが先行しがちです。

韓国国内でも明洞(ミョンドン)・弘大(ホンデ)といった比較的、若年層や観光客の集う場所においてはそういった形態のお店やショップが洋服だけでなく、雑貨・コスメと様々と軒を構えています。

一方で、質実剛健なグローバルブランドとして成長著しいブランドもあります。

今回は印象に残った二つのブランドと、それらブランドの共通点、そこから日本国内のブランドが何を学ぶべきかを話したいなと思います。

GENTLE MONSTER(ジェントルモンスター)

美術館のような店舗で知られる韓国発のアイウエアブランド「ジェントル・モンスター(GENTLE MONSTER)」

 

2011年にスタートした「ジェントル・モンスター」はその斬新な店舗デザインとK-POPスターや韓流俳優たちが同ブランドのサングラスを着用したことを機に人気が急上昇しました。

 

先日はロンドンにまるで美術館のような店舗デザインを踏襲した店舗をOPENし、グローバル化を加速させています。

 

僕が行ったカロスキルにある店舗では入店時に5階へと促され、そこからディスプレイによるインスタレーションと共に商品を見て行き、地下1階部分で動くインタレーションへと導くストーリーで展開されていました。

 

店舗にはフレグランスも使用されていて、目と耳でインスタレーションを感じるだけでなく、このフロアの全てを感覚的に楽しむという様な体験が盛り込まれていました。

 

このインスタレーションはシーズンにより入れ替えられるそうで、来店客を飽きさせない店舗づくりに驚愕しました。

 

「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」とのコラボ商品の展開などの話題もありつつ、

過去1年で急激に出店数を増やしていて、日本での展開が無い事が残念なお店の一つです。

 

ADER ERROR(アーダーエラー)

アーダーエラー(ADER ERROR)は14年に設立されたユニセックスブランドです。

建築やファッション、金融など異業種から集まった約30人の匿名クルー全員がデザインとビジネスに関わる特殊な体制で、現在では世界各国のオンラインショップやセレクトショップに商品を展開しています。

日本でも「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」とのコラボやモンキータイムでの取り扱いも始まり、注目を集めています。

アーダーエラーが特殊なのはファッション分野だけではなく、さまざまな分野から集まったメンバーが1つのチームとなり、ファッションを通じて世界観を訴求しようとブランドをローンチしたそうです。

そうする事で、それぞれさまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まることで、目新しいストーリーを生み出せると考えているそうです。

こちらは弘大にある店舗に行ったのですが、店舗とは独立したメインウィンドウや店内入り口のメインディスプレイやオートカーテンが印象的なお店でした。

店舗は一階部分が主にギャラリースペースとなっていて、二階の商品スペースにも特徴的な区画割りが施されていました。

購買時に商品がダストシュートから落ちてくる仕掛けなど、細部へのデザインにも気を配られているという印象を受けました。

2つのブランドに共通して感じた事

これら2つのブランドに感じたことは、他とは差別化されたビジュアルコンテンツだと思います。ソーシャルメディアが隆盛を極める中、インスタグラムやタンブラー、ピンタレストなどのチャンネルを活用し、独自のビジュアルコンテンツとコミュニケーションを進めている事が、多くの人から共感を得られている理由ではないでしょうか。

そして、各ソーシャルチャンネルが持つ特徴やプラス面、マイナス面を把握・分析し、「ブランド」を作り出すフレームが構築されています。

加えて、世界各地で多くの顧客にブランドアイデンティティーを直接的に伝えるためのPOP UP SHOPなどの精力的な活動をしている事も共通している様に感じます。

 

日本国内だと、FR2のブランドイメージが最も近しいんでは無いかと感じました。

今の時代は、SNSなどを通してブランドやデザイナーが世界各地の人々とより簡単にコミュニケーションできます。

これらは韓国だからとどうだいった訳ではなく、こういった事例を参考にすれば、日本国内でももっと多くのデザイナーが世界に進出し、斬新なアイデアを見せるブランドとして成長していけるのでは無いかと感じました。