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スーツのオーダーメードの違い

· DeepValley

最近ZOZOの発表で話題になっていたスーツのオーダーメードですが、オーダーメイドとひと言で言っても、ハンドメイドオーダー、ビスポークオーダー、カスタムオーダー、パストーレオーダー、コンピュータオーダー、サイズオーダー、セミオーダー・・・など様々な言い方、種類があります。

それぞれが「どのように違うのか?」
大きくは「フルオーダー」 「イージーオーダー」 「パターンオーダー」の3つに分けられます。

手間、コスト的にはパターンオーダー > イージーオーダー  フルオーダーの順に上がり、価格的にも高くなっていきます。

1、 パターンオーダー(セミオーダー、サイズオーダー)

既製のパターンの中から、自分の体に近いサイズで、上着は着丈や袖丈、パンツはウエストやパンツ丈などの限られた部分を許容範囲内で変更して仕立てます。

一般的にはタテ寸法の変更指定は可能。ヨコ寸法、いかり肩や猫背といった体型補整は出来ません。

完全なフィッテングは望めませんが、既成のスーツと比べると、個人にフィットします。

2、 イージーオーダー(マシンメイド、パストーレオーダー、コンピューターオーダー)

基本はパターンオーダーの工程に、仮縫いでピン留めなどを行い、いかり肩や猫背などの体型補整を確認します。

オプションでボタン、裏地を選ぶことも出来ますが、場合に依っては追加料金が発生することがありますがより、オリジナルな物に近づきます。

仕立てもランクによって、工賃(縫製料)もそれなりの差があります。

基本は、工場の持つジルエットのパターンが基準ですので、細かい補正には限度があり、お客様とフィッターとの完成品のイメージが、異なったものが出来上ってくる可能性は否定できません。

一応「着用するのに問題の無いスーツ」

低価格が売りのところは、ほとんどが発展途上国の縫製工場です。 「あなたの体に合わせます。採寸します。 オーダーメイドです」と 言っているのがこのイージーオーダーです。

3、フルオーダー (ハンドメイド)

(本来のオーダーメイド、ハンドメイドオーダー、ビスポークオーダー)
最も本格的な注文仕立てです。
 

テーラー (Tailor:男子服の仕立て屋)が 採寸します。

お客様とのコミュニケーションを大切、用途、使用頻度、お差支えなければ年齢、職業やお好みをお聞きして、フィッターとしてお客様の細かいくせ、身体のバランスを観察しながら採寸をします。その上で、身体に合ったシルエットやデザインを最近のトレンドを加味しながら選んでいただきます。基本的には一人の職人がその1着を縫い上げます。
 

フルオーダーの大きな特徴は「仮縫い」をすることです。
仮縫いをすることによって、コンセンサスがとれ、身体の上下、前後、左右、屈伸の差などの体型把握の確認出来ます。

しかし、極端に体型に拘らず、できるだけ自然にスマートにまっすぐに見えるように補正をします。

そして、お客様のライフスタイルや着用シーンなどに合わせたゆとりを付けて縫製を行います。

例えば、ダンスを踊るときに、後ろからきれいに見えるように・・・

車椅子を使用している方には、座った状態で無駄なシワやツッパリを出来るだけ少なく、障がいの程度によっては着脱を容易にできるように創ります。

だから、身体に馴染んだ着心地良い服が出来るのです

最近ではパターンオーダーやイージーオーダーの一部で、オプションとしてパフォーマンス的に仮縫いを行うところもあるようです。

しかし、それはあくまで縫製工場のテイストに沿ったもので、自ずから方法や補正出来る個所には制限があります。

【型紙】

パターンオーダー
既製品と同じ型を使用しますので、体型補正などは行わないため新たに型紙は作りません。

イージーオーダー
縫製工場のコンピューターで作ったベースの型紙をもとに、体型補正やデザイン補正などを施した型紙を作ります。

「お客様の希望に沿ったスーツを創ります」と言っても、それはあくまで縫製工場のマニュアルの範囲内での調整です。

フルオーダー
お客様ユーザーのための型紙を、お客様の体型、お客様のご希望のデザインに合わせて手書きで作ります。

人の体は十人十色、千差万別、左右対称ではありません。

従って、各々のパーツごとに左右、前後、上下を違えて型紙を作ることも、多々あります。

 リピーターにはその都度、型紙補正をします。

裁断

フルオーダー

手書きの型紙を生地の上に置いて、チャコ(チョーク)で準え、ハサミで裁断します。
左右の違いや屈伸の差などをマニプレーション(manipulation:巧みな扱い)をすることによってその体型にフィットした服が出来ます。

イージーオーダー&パターンオーダー
多くはコンピューターで作った型紙を元にコンピューター制御の裁断マシンで自動的にカットされます。
コスト面ではかなり抑えられますが、応用範囲は少ないです。

【芯地】
芯地には毛芯と接着芯の2種類があります。

毛芯
獣毛(羊の雑毛など)で出来た台芯に、バス芯と言って馬の毛を使った張りのある芯と胸の部分に弾力を持たすためにフェルト芯を、八刺しで縫い合わせたものを相して毛芯と言います。

ラペル部分には張りのあるウール綿混紡の裏地にも使用できるアルパカを使い、より細かい八刺しをすることによって美しいロール状の膨らみ、立体的なボリューム感溢れた返衿が出来ます。
耐久性に優れ、いつまでも型崩れしないスーツの原点です。


接着芯
不織布などに特殊な接着剤がついており、熱加工で簡単に表地と芯地が固定できるため、軽くて柔らかいスーツが出来ます。
低コストで作業も簡単ですので、既製品だけでなくパターンオーダーやイージーオーダーでもよく使われています。

接着芯は接着効果に限界があるようで、部分的に剥がれる場合があり、いったん剥がれると元に戻らないため、数度のクリーニングなどで張りやこしが失われ、よれよれになったスーツを見かけることが多々あります。

【生地】

各々の販売価格は基本的には使用する生地の質によって設定されています。

ヨーロッパのPCブランドの生地をしているパターンオーダーなどは20万円を超えるものもありますが、一般的なパターンオーダーではブランドのテイストに合わせて、それなりの品質の生地になるのは当然の成り行きでしょう。

イージーオーダーもしかり、顧客のニーズに合わせて、それなりの品質の生地を使用します。

生地代だけで10万や20万円の生地でイージーオーダーの仕立ではないだろうと思います。

フルオーダーの場合は、仕立てにコストと手間がかかる分、それに見合う良質の生地を使用しています。
平均的なテーラーでの販売価格は20万円~と上は際限なくあがります。

この様に、スーツのオーダーとひとえに言っても、様々な種類があります。

ZOZOで発表されたスーツではここでいうパターンオーダーと言うもので、なぜかフルオーダーと書かれていたりもします。

僕も機会があればフルオーダーのスーツを作ってみたいな。

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