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SALEから考えるファッションブランドの改善点

· DeepValley

こんにちはDeepValleyの増田です。

今年も残すところあと少しとなりました。

社会人になってからの10年程は、ほとんどの年末年始を新年のSALEやその準備に費やしてきました。

仕事上ではそうなのですが、僕自身はファッションに限らず、こういった期間限定SALEにはあまり興味がなくて、自分が欲しいと思うタイミングで一番お得に買えるところで買えたらいいなと思うぐらいの感覚です。

『SALEをしているから』『今だと安く買えるから』といった感覚があまりないので、もしかしたら買い物の要領は良くないかもしれません。

総括するとSALEを否定しているわけでも、肯定しているわけでもないですし、むしろ自分がブランドを運営する立場なら、在庫を残すぐらいであればSALEするのは当然と思っています。

今日はそんなSALEからファッションブランドの改善点について考えていきたいと思います。

SALEを想定しての生産背景

SALEといえば一番に思いつくのが、新春の初売りセールですね。

伊勢丹などの百貨店には行列が出来て、開店と共に店の中に駆け込んでいく様子は毎年テレビや雑誌にも取り上げられて話題になります。

昔からSALEの戦略(手法)はほとんど変わってはいませんが、店頭に行くとSALEの立ち上がりであろうと、50〜70%とOFF率がすごく高いです。

また開催期間も『シークレットSALE(既存顧客様向けのクローズドのSALE)』『プレSALE(SALE時期を前倒したSALE)』と期間も長いブランドでは1ヶ月以上行なっています。

展開されている商品に関しては、SALEの為にデットストックとなってしまっている在庫を再投入しているのか、今期の商品が安くなっているのかはお店によって違いますが、全体的にひと昔前と比べて価格競争が加熱しています。

要因としては、

・コストやミニマムを合わせる為に、大量に売れ残っても仕方がない量を発注してしまう。

・あえてSALE時の売上を確保する為に、SALE時に十分な在庫が持つ量の発注を行っている

・だからそもそもSALEで売っても大丈夫な価格設定を行なっている。

そういったものつくりが業界全体として、常態的に発生してしまっている状況になってしまっている事で売上高の確保・在庫消化といった為の施策として『期間』『OFF率』といった面が加熱している状況となっているのではないでしょうか。

散弾銃的な大量生産

前述した様にトレンド市場と呼ばれる市場を中心にアパレル業界では「顧客が必要としていないもの、必要以上のものを作ってしまう」という問題が発生してしまっています。

加えてアパレル業界では前時代より今日に至るまでクローズドのコミュニティの中からマスに向けて「流行を生み出す」「流行にマッチする」という目的でアプローチをかけるマーケティングが主流です。

ですが、根本的にそういった考えが今の時代とはマッチしていないです。

そういった流行を生み出そうとしている結果、現在多くのブランドが

・消費者の理解を深めることなく、とにかく数を撃てば当たると大量の商品を生産している

・ブランドのアイデンティティからズレても売れればいいという感覚で類似商品の作成をしている

といった状況に陥ってしまっています。

アパレルブランドのセールが大規模になっていってしまっている現状には、そうして生み出された中の”当たらなかった”商品がそのままSALEに回されてしまっている事もSALEを加熱させてしまっている要因です。

ファーストリテイリングの柳井正氏の言葉を借りるとすれば、「散弾銃を色々な方向に振り回しながら撃っている」というような状態です。

消費者の理解を深めなければいけない

これらの状況を改善していく為に、圧倒的に欠けてしまっている事が『消費者感情・動向の深い理解』ではないでしょうか。

 

現在、ファッションテックという言葉が2015年頃より使われる様になり、様々なデータが蓄積・分析ができる情報社会となっています。

そして、この流れはこれからも間違いなく加速していきます。

その様な時代において「数を撃てば当たる」というやり方は、あまりにも時代遅れです。

これからの商品企画には、クリエーションの追求と同様に、消費者のデータを商品化するということが求められるようになると思います。

それは消費者に関する情報を収集・分析、そして衣服へと変換していくという流れです。

いかに「データ」を起点に衣服を作れるかどうかが、これからのファッション業界で生き残れるかどうかの分かれ目にすらなるのではないでしょうか。

単純な「アイデア」や「テクノロジー」ではなく、あくまでもユーザー起点でのデザイン。

「ユーザーのニーズを理解し、研ぎ澄ませた商品だけを生産する」というライフルを撃ち抜くような生産体制を敷くことが重要じゃないでしょうか。

まとめ

そうした消費者の理解を含めるという流れがアパレル業界全体に浸透すれば、「セール前提の価格設定」も見直され、適正な価格で販売される様になります。

不要な在庫を抱えないのであれば、それに伴いセールの規模も縮小されていきます。

しかし『生産背景』『商品企画』『マーケティング』といった面でも、多くのファッションブランドにおいて、現状の体制のままでは難しい課題でもあります。

現状のアパレルでは企画・構想から実際に棚に並ぶまでに時間がかかり過ぎてしまっており、サプライチェーンを含めた大幅な構造改革が必須です。

ラグジュアリー市場では1~3月に翌年の秋冬、8~10月に翌年の春夏に店頭へと並ぶコレクションを行っています。

一方で国内トレンド市場ではそのほとんどがクイックレスポンスでの生産体制にも関わらず、同様もしくは少し遅い程度の企画スケジュールを敷いているといういびつな構造です。

業界としても、オートクチュールのコレクションは例外的な扱いで継続されるでしょうが、より大衆向けであるプレタポルテのコレクションは現在と同じ体制でずっと行われるとは考えにくいですし、ましてや市場の違う日本国内であれば右に習えであるべきではありません。

そういった状況を見据え、企画・生産・物流とサプライチェーンマネージメントを構築できてこそ、これからのアパレル業界を牽引していけるのではないでしょうか。

DeepValleyでは今回ご紹介したような、企画・生産のデジタル化において、マネジメントツールの提供やだけでなく、ファッションブランドの戦略立案についても行っているので、ご興味のある方は是非、お気軽にお問い合わせを。

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