あけましておめでとうございます。
ディープバレーのマスダです。
今年もBlogの担当の一人として、ぼちぼちと更新させてもらえれば幸いです。
さて、皆様は年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は地元(大阪)に戻っていたのですが、年末年始についついハネを伸ばし過ぎてしまい、最後は年明け早々にも関わらず高熱でダウンしてしまっていました….。
そんな中でも、年始には家族と大阪の繁華街まで出かけていた一幕がありました。
何年か振りに年始の繁華街に来たのですが、思ったよりも活気がすごいです。
不況だ!不況だ!と言われているアパレルとはいえど、百貨店やファッションビルをみれば全盛期とまではいかないでしょうが、それなりに人の賑わいや、活気は感じられます。
さて、こういう時に婦人服のファッションブランドの売り場で働いているメンズスタッフを見かけませんか?
女性ばかりの売り場の中で、見るからに若い子から、そこそこのおじさんと、一体誰なんだ?と思われる方も多いかと思います。
この人たちはそのファッションブランド(展開企業)の
◆営業担当・・・会社によって多少呼び方は違ったりもしますが、会社対会社の際に商談窓口になるのが、この営業担当
◆商品管理担当・ランナーと呼ばれていたりもする、店舗に所属している倉庫管理や商品だしなどを行う担当者
ほとんどの場合はどちらかだと思います。(もちろんSALE時期なので、それ以外の職種の方も来ているとは思いますが)
今日はそんな【営業担当】【商品管理担当】について話して行きたいと思います。
商品管理というお仕事
男性の方だとあまり馴染みはないかもしれませんが、SALE時だけに限らず、ファッションビルの婦人服売り場に行くと、【納品されたダンボールから商品を分別して格納している男性】や【レジでお会計の処理やお決まりになった商品をたたんでいる男性】を見かける事があります。
彼らはアパレル業界では《商品管理》《ランナー》と呼ばれている職種の方たちで、主に売場の在庫が帳簿の在庫と相違が無いように、適正に管理するために在籍しています。
(お店やブランドによって多少業務内容は違うでしょうが)
また彼らがいることで、バックヤード作業を引き受けてもらう事ができ、売り場の女の子たちがお客様への接客に集中できます。
そんな彼らですが、いったいどういう経緯で入社してくるのかというと...。
もともとは《販売員》《本部勤務》希望の方がほとんどです。
①大手アパレル企業で、元々はメンズブランドの販売員希望で応募したが、定員に空きがなく、レディースブランドの商品管理担当として採用された。
②その会社の本部勤務の希望だったが、店舗勤務からの採用となった。
という2パターンが話を聞いているととても多いです。
そんな彼らですが、【納品を検品して倉庫に収納】なんて事しか行なっていない人もいれば、【自店舗の在庫や売上動向を把握して、足りない商品・余っている商品を分別して適正に商品移動を処理】している人もいます。
しかし、企業によりけりですが、結局単純作業をしていようが、能動的に動いてようが、評価にはあまり関係がなく、そういった状況が少なくても2年以上は続いて、長い人では5年,10年と言う人もいます。
そんな中で腐らずに続けた人が次のステップとして抜擢されるのが前述の《営業担当》です。
営業担当になると
アパレル小売で言う営業担当は大きく分けると①店舗営業②卸営業の二つがあります。
今回の話で指している営業担当というのは①店舗営業のことです。
この店舗営業が普段どのような業務をしているのかと言うと
・週次/月次の担当店舗の報告書を作成
・担当店舗の出店ビル担当者の窓口
・店舗別の販促企画を考える
・担当店舗に付随する一切の業務をサポートする
と、意外と業務的には業務分掌が漠然としています。
ただ会社によってはもう少し幅広くて
・店舗別の損益計算
・直営在庫の発注数の決定
・全体販促の企画
などなど
とMD的な事やDB的な動きを行う場合もあります。
あくまでそれぞれの業務に対して、部分的な事が多いですが。
いずれにしても、よくマルチプレーヤーという風に揶揄される事の多いリテール営業ですが、悪く言ってしまうと、これ!という業務が無い様にもとれます。
これでは他では通用しない
そんな営業担当ですが、悩ましい事もあります。
以前の記事《アパレル業界で働きたい人を増やす為に出来る事》で業界で働く人たちの給与が安すぎるという事について書きました。
例えばここで書いた様な流れで新卒23歳でこの業界に入り、3年店頭にいて営業になり、3年営業を経験すると29歳になります。
勤続6年としても、前述した様なスキルセットのままでは中々昇給が望めません。
仮に転職先を探したとしても減額、急激に人材不足のところであれば同額もしくは、多少の増額程度でしか転職は難しいのではないでしょうか。
そうなると、部分的にかじっているMDやDBといった業務の幅を少しづつ広げ、職種を鞍替えといった事が昇給に繋がるんじゃないかなって思います。
しかし、簡単に鞍替えなんて出来る人も少ないので、気づけば10年近くいるにも関わらず、大してスキルセットは変わっていない。
こんな人をたくさんブランドで見てきました。(またそういう奴にいい奴や、頑張ってる奴が多い!!)
なぜこうなるかというと、会社にしても本人自体にも明確なキャリアプランや育成環境というものが存在しないからではないでしょうか。
しかし、こうした環境では中々外へのコミュニティーも形成できず情報も入りにくくなってしまい、必然的にその環境でしか自分を表現できなくなってしまいます。
最後に
なぜこんな風な話をするかというと、昨今は販売員の待遇を見直そうといった声がよく聞かれます。
その一方で、マルチプレーヤーと呼ばれ、勤続年数も長い人も多いリテール営業の方の待遇というのは見直される様子はありません。
自分で動けばいい!と言ってしまえばそれまでなのかもしれません。
一方で彼ら自身は本当に純粋に会社が好き・そのブランドが好き・そこで働く販売員たちが好きと言った方もいます。
そういう人たちが報われるようなキャリアプランやスキルを教える事のできる環境作りというのは必要なのではないでしょうか?
DeepValleyでは今回ご紹介したような、ファッションブランドの人事戦略の立案についてもサポートを行っていますので、ご興味のある方は是非、お気軽にお問い合わせを。